僕自身、ホットアイマスクをお客様に結構勧めています!
パソコンやスマホが普及したことにより、目を酷使することが増え、デスクワーカーの方では、ストレートネックや首コリ、それらが原因と思われる頭痛に悩まされている方が増えているなと感じています。
上の動画を見てもらえればわかると思いますが、目の周りにはたくさんの血管があり、目を酷使することで血流が悪くなり目が疲れます。
この疲れを回復させようと血管を拡張させ、血流量を増えることで目が充血してしまいます。
充血の原因はいくつかありますが、目の使いすぎで起こる充血のメカニズムはこんな感じです。
なので、デスクワーカーの方には普段のケアとしてホットアイマスクをおすすめしているわけです。
また、目から入ってくる情報は非常に多いため、脳を休ませるという意味でも視覚を遮断する意味もあります。
これらだけでも十分な効果ですが、もっと他にもメリットがあるのではと疑問に思い、色々論文を調べてみました。
いくつか面白いものがありましたが、今回は3つご紹介します!
ホットアイマスクのメリット
3つの論文を紹介しますが、ホットアイマスクはたくさんの企業が製品として出しており、企業からの支援を受けた研究もあります。
ですが、ある一定の基準を満たしている(掲載先の信頼度など)と、僕自身が判断したので、そういった論文も入っています!
睡眠の質向上
18人の男性被検者(年齢範囲29〜57歳)に
ホットアイマスクと普通のアイマスクを装着して、60分間目を閉じ起きた状態を維持したあと、60分の睡眠をとってもらい、睡眠中の皮膚温度、体感温度、脳波の測定をするという実験です。
なお、効果の時間的特徴を観察するために60分の睡眠を前半と後半に分けて、分析してあります。
この論文の結論では「眼周囲の温めは、模擬アイマスクと比較して入眠を促進し、睡眠期間前半のステージ2睡眠および脳波デルタ活動を増加させた。これらの結果は、眼周囲の皮膚を温めることで、遠位皮膚を介した生理的熱放散を促進し、習慣的な睡眠前の生理的状態を模倣することで、睡眠を加速し、深める可能性があることを示唆している。」(本文引用)と書かれています。
かなりざっくりとまとめると、「ホットアイマスクを使って目の周りを温めると入眠時間が短くなって、深い睡眠の時間が長くなったよ」ということです。
参考論文
【タイトル】
Periocular skin warming promotes body heat loss and sleep onset: a randomized placebo-controlled study
【URL】
https://www.nature.com/articles/s41598-020-77192-x
ドライアイの改善
2004年から2023年までに出された、マイボーム腺機能不全療法に、ホットタオル、電子レンジ用アイマスク、自己加熱式アイマスクを使用した20の研究から、涙液膜、マイボーム腺の健康、ドライアイドライアイ質問票の測定値によって示されるWCプロトコルと有効性に注意しながら定性的なレビューです。
結果を見る前にマイボーム腺についてです。
マイボーム腺とは、眼瞼(まぶた)のまつ毛の生え際よりもやや内側にある、油分を分泌する器官のことで、油分を分泌することにより、涙が蒸発するのを防ぐ大切な働きをしています。
マイボーム腺が機能不全を起こすと油分が分泌されなくなり、涙がすぐ蒸発してしまい、ドライアイになります。
結果は「1 回 (5 ~ 20 分) 適用すると涙液の質が大幅に改善されるのに対し、繰り返し適用すると マイボーム腺機能不全によるドライアイに関連する症状が大幅に緩和され、ほとんどの研究ではマイボーム腺の健康が大幅に改善されます。また涙液破壊時間やマイボーム腺スコアを改善することがわかりました。」(本文引用)
ざっくりまとめるなら、「目の周りを暖めることによってマイボーム腺が健康な状態に戻り、涙が蒸発しづらくなったことによってドライアイの症状が緩和される」とういうことです。
参考論文
【タイトル】
Evidence-Based Strategies for Warm Compress Therapy in Meibomian Gland Dysfunction
【URL】
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/38990464/
主観的なうつ病スコアの改善
この研究では79人の被検者(年齢23〜89歳)を、ホットアイマスクグループ39人と普通のアイマスクグループ40人に分け、2 週間、1 日 1 回 10 分間アイマスクを使用し、その後に不安・抑うつスコア(不安:HADS-A、抑うつ:HADS-D)、および主観的幸福感尺度(SHS)質問票を分析したという研究です。
ホットアイマスクを使用したグループでは、抑うつ(HADS-D)のスコアに優位な差があり、主観的なうつ病スコアが改善されたと結論付けています。
まとめ
ホットアイマスクは、眼周囲の血流改善ができたり、視覚情報を遮断することにより脳を休めることができます。
それだけでなく
●睡眠の質向上
●ドライアイ改善
●主観的なうつ病スコアの改善
が期待できます。
薬局でも手軽に手に入るので、デスクワーカーの方は特に日頃のケアとして取り入れていただきたいです。
視覚が関係する身体の機能についての記事
ブログ著者
- 【保有資格】
・日本トレーニング指導者協会 認定トレーニング指導者
・EBFAベアフットトレーニングスペシャリスト
【経歴】
■大学でスポーツ科学を専攻
■卒業後ジュニア専門のテニスクラブにて全国大会を目指す
ジュニアアスリートの育成に携わる
■2018年にフリーのトレーナーとなり名古屋市に2店舗を構える、パーソナルトレーニングジム CONNECTや大手スポーツクラブとパーソナルトレーナー契約を結び活動
より多くの方の身体の悩みを改善したいと思い出張パーソナルトレーニングを始める
■現在、パーソナルトレーニング指導をはじめ、愛知県ベスト4の高校テニス部にてトレーニングコーチを務めるなどスポーツの分野でも活動中。
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