足の 痛み改善 !

二足歩行で生活する人間にとって、
地面との唯一の接点である 足の裏 ですが、
身体の表面積のわずか2%しかありません。
そのわずかな表面積が土台となり体を支えており
足の裏がうまく機能しないと姿勢不良ケガなど
体へ悪影響が出ます!

また足は
「安定性」と「可動性」
という相反する機能が求められます!

そんな足部で起こりやすい
不調・痛みの改善方法を紹介します。



足の裏の痛み:足底筋膜炎

足底筋膜炎は足の裏にある
足底筋膜の緊張が高くなることで
付着部である踵や指の付け根付近に
痛みがでます。

足底筋膜炎で痛みが出やすい場所
足底筋膜炎で痛みが出やすい場所



痛みが出るタイミングは
足底筋膜が引っ張られるタイミングで痛みが
出るため、歩行やランニングにおいて
地面を蹴る瞬間や接地時にも痛みが出ることがある。

原因

足底筋膜炎は足底筋膜が伸ばされる
ストレスによって痛みが生じるため
そのストレスを強めている原因に
アプローチする。

運動学的要因

①股関節・膝関節伸展筋の筋力低下
②下腿三頭筋の筋力低下
③足首・母趾の背屈制限
④足のアライメント異常

痛み改善方法

いずれの場合でも
下腿三頭筋(ふくらはぎの筋肉)に
硬さがみられるため、その硬さを
取り除くことが改善への第一歩となります。

硬さを取り除くには
セルフマッサージがおすすめ!
ハンドマッサージでもいいですが
ボールやフォームローラーといった
ツールを使うと手軽にマッサージできます!

下腿三頭筋の硬さが取り除くことができたら
次に筋力が低下している、筋肉をトレーニング
していくことで、足底筋膜炎の再発を防ぎます。

足首前方の痛み

足首前方に痛みを感じる場合
疑われるのは、足関節前方インピンジメント。
インピンジメントとは関節に筋肉や靭帯が
挟みこまれたり、引っかかることを指します。

足首の前方で起こるインピンジメントには
2種類存在する。
①前脛腓靭帯の遠位線維束が肥厚・瘢痕化することで
 背屈時(つま先を上げた時)に衝突を繰り返す

②距腿関節前面(足首前面)に存在する組織が
 肥厚・瘢痕化することで足首前面の関節に
 挟みこまれる

どちらの場合でも足首背屈時に
足首前方に痛みが出ます!

原因

過去にスポーツをしていたりして
頻繁に捻挫を受傷することで
治癒していくさいに、靭帯や結合組織が
肥厚・瘢痕化することで発症しやすくなります。

運動学的要因

①足首の背屈制限
②足首の不安定性
③足部アライメントの異常

捻挫のうち、40~70%程度が慢性的な
足関節不安定症に移行します。
名前の通り足首が不安定になるため
捻挫の再受傷リスクは高くなり
捻挫をすると不安定になるという
負のループへ陥ってしまいます。

捻挫を繰り返すと、靭帯や結合組織は
さらに肥厚・瘢痕化するため、インピンジメントを
起こしやすくなります。

痛み改善方法

まずは、足首の安定性を向上させます。
捻挫を繰り返すと内反(足の裏が内側を向く)が
強くなりやすく、外側縦アーチが潰れてしまい
機能せず、足首が不安定になります。
そのため、足首の安定性を向上させるためには
外側縦アーチを機能させる必要があり
その役割を担っている、長腓骨筋、短腓骨筋
小趾外転筋のトレーニングをします。

【改善トレーニング】
・アンクルサークル
・足趾のパー
・小指側に体重を乗せたカーフレイズ


足のアライメント異常

足のアライメント異常の代表には
・偏平足
・外反母趾

があります!

●偏平足
偏平足は内側縦アーチの機能不全によって
土踏まずが過度に下降してしまうアライメント異常
偏平足は足底筋膜炎も併発しやすい
偏平足
●外反母趾
足の母指(親指・母趾)の先が人差し指(第2趾)のほうに
「くの字」に曲がり、つけ根の関節の内側の突きだす
アライメント異常。偏平足の日は人は併発しやすい。

・0°~15° 正常
・15°~20° 軽度
・20°~40 中等度
・40°以上  重度
外反母趾

原因

足のアライメント異常の多くは
内在筋の低下が原因です。
足の内在筋は足の裏に付着している
複数の小さな筋肉のことで、足部のアーチ保持や
安定化に重要な役割を果たしています。

安定性が失われると歩行時や立位に
足部は回内(内側へ回るような動き)をしてしまい、
偏平足や外反母趾の原因となります。

内在筋の力の働く方向として中足骨を
真ん中へ引っ張るように働きますが
内在筋が弱くなると、中足骨同士が離れて
足が横に広がり、アヒルの足のようになります。

内在筋弱化 中足骨
内耳筋弱化すると中足骨同士は離れてしまう

中足骨間が離れてしまうことは外反母趾に
関係なさそうですが、外反母趾は中足骨が外に開き
指の骨が内に閉じてしまうことで、指が曲がった
形になっているため、非常に重要なポイントです。

外反母趾
外反母趾

痛み改善方法

偏平足、外反母趾ともに
足の内在筋が弱くなっていることで
起こるため、内在筋のエクササイズで
改善を目指すのがおすすめです。

短拇趾屈筋、短趾屈筋といった
指を曲げる筋肉をはじめとして
特に拇趾外転筋のエクササイズは
重要になります。

拇趾外転筋
拇趾外転

拇趾外転筋は内側縦アーチを下から支えるように
走行しており、偏平足ではアーチの下降を抑え、
外反母趾においては、母趾を外へ広げる作用がある
拇趾外転筋はマストになります。


【内在筋エクササイズ】

【足趾のエクササイズ】

足趾パー
足趾 パー

トレーニングよって改善できる
扁平足、外反母趾は軽度のもが
ほとんどのため、重度のものは
病院で受診して、インソールを
作るなどして補助具を利用しながら
トレーニングをすることをおすすめします!

 番外編:足の大事な機能

足の裏 には機械受容器(メカノレセプター)といわれる
センサーが沢山あります。
バランスを崩しそうになれば、それをセンサーが
感じとり、信号を脳へ送りバランスをとります。

機械受容器には
・マイスナー小体
・パチニ小体
・メルケル盤
・ルフィニ終末 
 があります!

それぞれ触覚や振動、皮膚の変形などの
刺激をキャッチします!

高齢者ではこのセンサーの感度が悪くなり、
バランスを崩しかけたことを感じるのが遅れ、
気づいた頃にはもう立てなおせず転倒なんてことも
起きます。

また、年齢に関係なく足の裏からのインプットは
歩行や立位の姿勢制御に影響を与える
ため
感覚が鈍くなることで、姿勢の崩れや
歩行時の代償運動
に繋がります!

他にも最近ではシューズが進化して、
クッション性が良くなりインソールが
柔らかいもの多くなってきていますが、
柔らかいとレセプターの感度が落ち、
パフォーマンスダウンにつながる
可能性もあります。

海外では衝撃吸収性の高い靴を常用すると
腰痛の発生率が高まるというリサーチもあります!


靴選びも非常に大事ですが、
足の裏 のレセプターがちゃんと
機能しているかもとても大事です。
フォームローラーやテニスボールなどで
足の裏のレセプターに刺激を入れてあげるだけでも、
立ったときに足の裏の感覚の変化を体感できます。
振動刺激を与えてみるのもいいと思います。