今日から2月になり、ここから春に向けて暖かくなっていきますが、暖かくなると花粉症シーズンが到来します。
鼻づまりや目のかゆみなどの症状に悩まされる方が多いですよね。
これらの症状は、日常生活だけでなく運動パフォーマンスにも影響を及ぼすことがあります。
しかし、適切な栄養を取り入れることで、花粉症の症状を軽減し、体を守ることができる可能性があります。
ここでは、花粉症対策に役立つ栄養について、トレーナー目線でご紹介します。
花粉症を和らげる栄養素と食品
花粉症対策には、免疫機能をサポートし、炎症を抑える効果が期待される栄養素を含む食品を積極的に摂ることが特に重要です。
これらの栄養素は、体内の免疫バランスを整える働きがあり、花粉に対する過剰な反応を抑制する可能性があります。
また、これらの食品を日常的に摂取することで、症状の緩和だけでなく、健康的な体づくりにも貢献します。
次に、具体的な栄養素とその効果、さらにそれらを含む食品について詳しくご紹介します。
ビタミンC
・推奨摂取量:1日あたり1000mg程度(個人の体質による)
・食品からの摂取:柑橘類(オレンジ、レモン)、キウイ、パプリカ、ブロッコリーなど
抗酸化作用
花粉症の症状(くしゃみ、鼻水、目のかゆみなど)は、体内の酸化ストレスによって悪化することがあります。ビタミンCは強力な抗酸化作用を持ち、活性酸素を除去することで炎症の悪化を防ぎます。
ヒスタミンの抑制
花粉症の主な原因物質である「ヒスタミン」は、アレルギー反応を引き起こします。ビタミンCはヒスタミンの血中濃度を下げる働きがあるため、アレルギー症状(鼻詰まりやかゆみ)の緩和に役立つ可能性があります。
免疫機能の強化
ビタミンCは、白血球の機能を高め、免疫系のバランスを整えることで、過剰なアレルギー反応を抑えるのに貢献します。これにより、花粉症の症状を和らげる可能性があります。
炎症反応の軽減
ビタミンCは、炎症を引き起こすプロスタグランジンやサイトカインの産生を抑制し、花粉症に伴う炎症反応を軽減する働きがあると考えられています。
ビタミンD
・推奨摂取量(成人):1日 800〜2000IU(国によって推奨量が異なる)
・過剰摂取に注意:過剰に摂取すると高カルシウム血症などのリスクがあるため、適量を守ることが重要
・食品からの摂取:魚類(サーモン、サバ、イワシ)、キノコ類(干ししいたけ、マイタケ)、乳製品(ビタミンD強化ミルク、チーズ)、卵(卵黄)
免疫バランスの調整
ビタミンDは、免疫系の働きを調整し、過剰なアレルギー反応を抑える効果があります。特に、花粉症は免疫システムが過敏に反応することで発症します。
免疫細胞なかにTh1、Th2というものがあります。ビタミンDは、Th1/Th2のバランスを整え、過剰なTh2反応を抑制することでアレルギーの発症を和らげる可能性があります。
炎症の抑制
花粉症による鼻粘膜や目の炎症は、サイトカイン(炎症性物質)の過剰産生によって引き起こされます。
ビタミンDは、抗炎症作用を持ち、炎症性サイトカイン(IL-6、IL-17など)の産生を抑えることで、症状の軽減に貢献すると考えられています。
粘膜のバリア機能強化
ビタミンDは、粘膜のバリア機能を向上させることで、花粉などのアレルゲンが体内に侵入するのを防ぐ働きがあります。特に、鼻や喉の粘膜を健康に保つことで、アレルギー症状の悪化を防ぐ効果が期待されます。
オメガ3脂肪酸
・推奨摂取量(成人):1日1000〜2000mgのEPA+DHA
・食品からの摂取:動物性オメガ3(サバ、サーモン、イワシ)、植物性オメガ3(亜麻仁油、チアシード、くるみ)
・選び方のポイント:
酸化を防ぐため、ビタミンEなどの抗酸化成分が含まれているもの
純度の高いもの(重金属フリー)
抗炎症作用
オメガ3は、炎症を促進する「アラキドン酸(オメガ6由来)」の代わりに、抗炎症性のプロスタグランジンやロイコトリエンの生成を促進。これにより、鼻粘膜や気道の炎症が軽減されます。
また、IL-6やTNF-αなどの炎症性サイトカインの分泌を抑え、アレルギー症状の悪化を防ぎます。
免疫バランスの調整
オメガ3は、Th2優位の状態を抑え、免疫バランスを整えることで、過剰なアレルギー反応を防ぎます。
また、オメガ3の摂取により、アレルギー反応を引き起こす「IgE抗体」の生成が抑えられる可能性があります。
粘膜の保護と強化
オメガ3脂肪酸は、細胞膜の構成要素として機能し、鼻や喉の粘膜のバリア機能を強化する効果があります。これにより、花粉などのアレルゲンの侵入を防ぎ、症状の悪化を抑制します。
乳酸菌
乳酸菌摂取の注意点
・乳製品に含まれる乳糖に敏感な人(乳糖不耐症)は、乳酸菌サプリメントの利用を検討
・過剰摂取による腹部膨満感や下痢などの消化器症状が出る場合があるため、適量を守ることが重要。
・個人差があるため、自分に合った乳酸菌を見つけることがポイント。
免疫バランスの調整
通常、免疫システムは「Th1(細胞性免疫)」と「Th2(抗体免疫)」のバランスを保っていますが、花粉症の人はTh2優位の状態にあります。乳酸菌はTh1の働きを促進し、Th2の過剰な反応を抑えることで、アレルギー症状の軽減に寄与します。
腸内フローラの改善
腸内環境が悪化すると、悪玉菌の増加が腸の免疫機能を低下させ、アレルギー症状を悪化させる可能性があります。
乳酸菌は腸内の善玉菌(ビフィズス菌など)を増やし、悪玉菌を抑制することで、腸の免疫バリア機能を強化し、アレルゲンの侵入を防ぎます。腸内環境の改善により、炎症の抑制や免疫の正常化が期待できます。
炎症の抑制
乳酸菌には、炎症性サイトカイン(IL-4やIL-5など)の過剰分泌を抑制する作用があり、乳酸菌の摂取によって、腸内で短鎖脂肪酸(酢酸・酪酸など)が生成され、炎症の抑制や腸粘膜のバリア機能強化につながります。
乳酸菌の種類 | 主な効果 | 含まれる食品 |
---|---|---|
L-92乳酸菌 (ラクトバチルス・アシドフィルスL-92) | 免疫バランス調整、症状緩和 | ヨーグルト、サプリメント |
ビフィズス菌BB536 | 腸内環境改善、炎症抑制 | ヨーグルト、乳酸菌飲料 |
LGG乳酸菌 (ラクトバチルス・ラムノサスGG) | 腸内の善玉菌増加、粘膜免疫強化 | 発酵食品、サプリメント |
シロタ株 (ラクトバチルス・カゼイ・シロタ株) | 腸内フローラ改善、免疫調整 | ヤクルトなどの乳酸菌飲料 |
ガセリ菌SP株 | 粘膜のバリア機能強化 | ヨーグルト |
日常でできる工夫
花粉症シーズンには、以下の食事の工夫を取り入れてみてください。
朝食にビタミンCをプラス
朝食にキウイやオレンジを加えるだけで、手軽に抗酸化作用を強化できます。
魚を積極的に摂るランチ
昼食に焼き魚やサバ缶を取り入れることで、オメガ3脂肪酸を簡単に摂取できます。
発酵食品を毎日の食事に取り入れる
夕食に味噌汁や納豆をプラスすることで、腸内環境を整えるサポートになります。
ミネラルファスティングを試してみる
ミネラルファスティングは、消化器官を休めながら必要な栄養素を効率的に補給できる方法です。特に腸内環境の改善に寄与し、免疫機能を整える効果が期待されます。
ファスティングを通じて体内の炎症を抑える働きが促進され、花粉症の症状を軽減する一助になる可能性があります。
注意したい食品や習慣
花粉症シーズンには避けた方が良い食品や習慣もあります。
・高ヒスタミン食品の摂取を控える
発酵チーズやアルコール、燻製食品、トマトなどはヒスタミンを多く含むため、症状を悪化させる可能性があります。これらの食品は、花粉症シーズン中はできるだけ控えるのがおすすめです。
また、古くなった食品や加工食品もヒスタミンを含むことがあるため、新鮮な食品を選ぶことを心がけましょう。
・水分補給を忘れない
水分補給は、以下のポイントで花粉症対策に効果的です:
1.粘膜を潤し、アレルゲンの侵入を防ぐ
2.体内の花粉や老廃物を排出し、症状を軽減
3.鼻水や痰の粘度を下げて、鼻づまりを和らげる
4.血流を改善し、免疫機能を正常化
水分補給に適した飲み物と避けるべき飲み物
適した飲み物 | 避けるべき飲み物 |
---|---|
水(常温・白湯) | アルコール(脱水を促進) |
麦茶(ノンカフェイン) | コーヒー・紅茶(カフェインが利尿作用を促す) |
ハーブティー(カモミール、ルイボスなど) | 甘いジュース(糖分が多すぎる) |
低糖スポーツドリンク | 炭酸飲料(糖分過多) |
味噌汁・スープ(塩分も補える) | エナジードリンク(刺激物が多い) |
まとめ
花粉症シーズンでも快適に過ごすためには、栄養の力を活用することが重要です。
日々の食事にビタミンCやD、オメガ3脂肪酸、乳酸菌を取り入れることで、症状を和らげながら健康的な体を維持できます。また、ミネラルファスティングを取り入れることで、腸内環境を整え、さらなる症状改善の可能性を引き出せるでしょう。
ただし、花粉症の症状が重い場合や特定の食品で症状が悪化する場合は、医師や薬剤師に相談することをおすすめします。栄養と運動、さらにミネラルファスティングを上手に組み合わせて、花粉症シーズンを乗り切りましょう!
ファスティングについて
ブログ著者
- 【保有資格】
・日本トレーニング指導者協会 認定トレーニング指導者
・EBFAベアフットトレーニングスペシャリスト
【経歴】
■大学でスポーツ科学を専攻
■卒業後ジュニア専門のテニスクラブにて全国大会を目指す
ジュニアアスリートの育成に携わる
■2018年にフリーのトレーナーとなり名古屋市に2店舗を構える、パーソナルトレーニングジム CONNECTや大手スポーツクラブとパーソナルトレーナー契約を結び活動
より多くの方の身体の悩みを改善したいと思い出張パーソナルトレーニングを始める
■現在、パーソナルトレーニング指導をはじめ、愛知県ベスト4の高校テニス部にてトレーニングコーチを務めるなどスポーツの分野でも活動中。
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