身体の豆知識

腸内細菌 の基礎知識!腸内環境の重要性とは?

近年、 腸内細菌 は健康の維持増進にとって
重要なキーワードになりました。
ここ10年ほどで腸内細菌に関する論文は急激に増え、
腸内細菌が様々なことに関わっていることが
明らかになってきています。

「腸内細菌は大事!」と聞くがどのように関わっているか
いまいちよくわからないという方も多いはずです。
今回は腸内細菌の基本を学びつつ、
運動やダイエットなどにどのように関わっているかを
ご紹介します。

腸内細菌


腸内細菌 の種類

人の体は約30兆個の細胞から形成されています。
それに対して体の内外に生息する常在菌といわれる、
菌の数は約100兆個に及ぶと言われています。
その100兆に及ぶ細菌の集まりを細菌叢、
(マイクロバイオーム)と呼び、健康に深く関連しています。

体の内外に存在する細菌は
皮膚や口腔、鼻腔、呼吸器などに生息していますが、
その9割は腸内に存在しています!

そんな腸内細菌は約1000種類ありますが、
大きく分けると4つに分類できます。

【腸内細菌の分類】
●アクチノバクテリア門
●バクテロイデス門
●ファーミキューテス門
●プロテオバクテリア門


この4つに分類されますが
「門ってなに?」という感じになりますよね。
生物を分類する際に、分類階級というのがあり大きな括りから
「界➜門➜綱➜目➜科➜属➜種」となります。

例えば私たちヒトを生物学的に分類すると
「動物界 脊索動物門 哺乳綱 サル目
ヒト科 ヒト属 ヒト種」になります。

数多くある腸内細菌もこのように分類され、
同じ階級に属している細菌同士は性質も似ています。

どの門の腸内細菌も人間にとって必要不可欠で
腸内細菌の研究論文でもよく言われているのは
「Rich=豊かさ Diversity=多様性」の
両方が重要とされており、食事など生活習慣の
影響で、腸内細菌の種類や数が減少して
多様性や豊かさが低下すると(Dysbiosis状態)
消化・吸収能力低下や免疫低下、炎症など
様々な不調に繋がっていきます。


運動による 腸内細菌 への影響

トレーニングなど運動が腸内細菌へ
与える影響についてです。
結論から言うと
運動は腸内細菌にとって
ポジティブな働きをしてくれます。

プロラグビー選手と運動をしない一般人を
比較した研究では、アスリートのほうが
腸内細菌叢の多様性、機能的キャパシティが
著しく高いことが報告されています。

また、運動をしていない人は
短鎖脂肪酸が減少、ファーミキューテス門の
細菌が増加したとされる報告もあります。

短鎖脂肪酸は腸内を弱酸性に保って
悪玉菌の働きを抑制したり、
大腸のぜん動運動を促進して便通を良好にしたり、
殺菌・抗炎症作用とともに腸のバリア機能を高めたり、
腸管の粘液の分泌や水・ナトリウムなどの吸収を促したりと、
多くの役割担っており、短鎖脂肪酸の減少は
腸内の健康に直接影響するといっても
過言ではありません!
(ファーミキューテス門については
ダイエットとの関わりで詳しく書きます。)

ではどのような運動介入が
腸内細菌へポジティブに働くのか?
複数の研究をまとめると
以下のようになります!

運動による介入

●有酸素運動のみより
 レジスタンストレーニング
 (一般的に言われる筋トレ)との
 併用のほうが多様性が高まる

●運動強度は高い方が
 多様性の改善幅が大きい


●週4−5回以上で大きな効果に期待

●より長期(8週間以上)の方が
 ポジティブな効果が高い
 多様性向上にも効果を認めるには
 最低でも6週間

短期的な介入では多様性の改善は
効果があまりみられないため、
運動習慣をつけ長期的に運動を
していくことが重要になります!

しかし、この運動による腸内細菌への影響は、
BMIに依存するとの報告もあります。
BMIが正常の場合、運動量の増加とともに
腸内細菌叢に変化が起き、多様性が向上するが
BMIが高いと運動による腸内細菌叢の変化には
あまり効果が期待できません。

運動による腸内細菌叢の変化を狙うなら
先に減量を行い、BMIを正常に戻してからの方が
効果に期待できます!


腸内細菌とダイエット

ここではダイエットもしくは太りやすさに
腸内細菌が関わってくるのかについて
書いていきます。

マウスを使った実験で、肥満状態のマウスでは
ファーミキューテス門の細菌が多く
正常なマウスではバクテロイデス門の
細菌が多いことがわかっています。

ファーミキューテス門の細菌はヒトが本来消化できない
食物繊維などの多糖類を分解する能力があり、
その分解産物を宿主であるヒトが吸収し、
エネルギー源として脂肪細胞に蓄えることが
できますが、過剰だと脂肪細胞にエネルギーを
蓄えすぎてしまいます。

バクテロイデス門の細菌は
食べ物を分解すると短鎖脂肪酸を排出します。
短鎖脂肪酸を認識する、脂肪酸の受容体に
体脂肪の蓄積を抑制して、肥満を防ぐ機能
持っていることが発見されており
短鎖脂肪酸の生産は肥満の予防には
とても重要になります。

このように2つの細菌は正反対の性質を
持っているため、ファーミキューテス門と
バクテロイデス門の比率は肥満と
関係があるとされており、ファーミキューテス門の
割合が多いほど肥満傾向にあります。

肥満状態のマウスの腸内細菌を
正常のマウスへ移植すると
食事の内容が変わらなくても体脂肪量が
増加したとの報告もあり、腸内細菌が
体脂肪の増減に関係していることが
示唆されています。

また、一部の腸内細菌は死んだあとに
エンドトキシンという有害物質を放出するものが
あります。
常に腸内に存在しているため、少量なら健康に
問題は起こしませんが、血液中に入ると何らかの
健康被害を起こすことが以前から分かっていました。
英ノッティンガム・トレント大学の研究では
「腸から体内へ漏れ出た内毒素は脂肪細胞の
正常な働きを妨げて、体重増加に拍車をかける
可能性がある」との報告もあり、
肥満者の場合、腸壁が損傷して内毒素が血液中に
漏れやすいと言われているため、さらに太りやすい
状態にあると考えられます。
(参考論文はコチラ)

ここからは僕の考えですが、
死んだ腸内細菌は、他の腸内細菌の
餌になったりして、役立ちますが
体外に排出することが有効なのではと
ふと思いました。
それが有効ならファスティングが1つの
手段になる可能性も考えられます。

ファスティングプログラム

ミネラルファスティング

画像をクリック

腸内細菌を乱すもの

腸内細菌叢を乱す原因としては
食事や睡眠、ストレスなどがありますが
近年言われているのは抗生物質の使用です。

勘違いのないように先に書いておきますが、
抗生物質は正しく使用すれば、人の命を
救うことができるほど大事な薬でもあります。

しかし、不要な場面でも処方されてしまう
ケースもあります。
抗生物質は主に細菌性の病気に効果がありますが
ウイルス性の病気ではあまり効果がありません。
私たちがよくなる風邪は、ウイルス性の病気ですが
抗生物質が処方されてしまうことがあります。

僕は運動指導者であるため、病気や怪我の
診断はできません。
どんな病気なのか、どんな治療方針なのかを
決めていくのはお医者さんなので、
お医者さんと相談のうえ、抗生物質を避けるという
方法を選ぶことができるのなら、それを選択するのも
ありだと、僕は考えています。


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ブログ著者

中森允崇
中森允崇代表
【保有資格】
・日本トレーニング指導者協会 認定トレーニング指導者
​・EBFAベアフットトレーニングスペシャリスト

【経歴】
■大学でスポーツ科学を専攻
■卒業後ジュニア専門のテニスクラブにて全国大会を目指す
ジュニアアスリートの育成に携わる
■2018年にフリーのトレーナーとなり名古屋市に2店舗を構える、パーソナルトレーニングジム CONNECTや大手スポーツクラブとパーソナルトレーナー契約を結び活動
より多くの方の身体の悩みを改善したいと思い出張パーソナルトレーニングを始める
■現在、パーソナルトレーニング指導をはじめ、愛知県ベスト4の高校テニス部にてトレーニングコーチを務めるなどスポーツの分野でも活動中。
中森允崇

中森允崇

【保有資格】 ・日本トレーニング指導者協会 認定トレーニング指導者 ​・EBFAベアフットトレーニングスペシャリスト 【経歴】 ■大学でスポーツ科学を専攻 ■卒業後ジュニア専門のテニスクラブにて全国大会を目指す ジュニアアスリートの育成に携わる ■2018年にフリーのトレーナーとなり名古屋市に2店舗を構える、パーソナルトレーニングジム CONNECTや大手スポーツクラブとパーソナルトレーナー契約を結び活動 より多くの方の身体の悩みを改善したいと思い出張パーソナルトレーニングを始める ■現在、パーソナルトレーニング指導をはじめ、愛知県ベスト4の高校テニス部にてトレーニングコーチを務めるなどスポーツの分野でも活動中。

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