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痛み

腰痛 改善には腹筋を鍛えるのが良いのか?|腰痛改善方法を考え直す

腰痛 は肩こりと同様に多くの方がもっている
体の不調になります。

平成28年に厚生労働省が発表した、国民生活基礎調査において
病気やけが等で自覚症状のある人(有訴者)の比率、
有訴者率では男性の第1位、女性の第2位が腰痛です。
(平成28年国民生活基礎調査)

そんな多くの方が悩まされる、腰痛の改善方法といえば
最初に思い浮かぶのが、「腹筋を鍛える」ではないでしょうか。

果たして、腹筋を鍛えることが腰痛改善に最適なのか?
今回は、腰痛改善への最適な道のりを考えていきます!
腰痛の原因は様々なので、必ずしも”これが答え”
というもはなく、今回は腰痛を改善していくうえで
基礎について書いていきます。

もちろん痛みがひどい場合には、
医療機関で受診するようにしてください。

腰痛


腰痛 には腹筋?

腰痛に腹筋というのは少し安易で、
「ん-、20点ぐらいかな」と個人的には思います。
言葉が足りなさ過ぎて、漠然としており
体に詳しくない人が、聞いたら
「腹筋運動をして腹直筋を鍛えればいいんだ!」
となってしまいます。
腰痛改善において、腹直筋を鍛えるメリットは
そんなに大きくはなく、デメリットになる
可能性もあります。

腰痛の方のほとんどが、脊柱起立筋が過剰に収縮しており
とても硬くなっています。
その方が、腹直筋を鍛えると脊柱起立筋とともに
腰の骨(腰椎)を押し潰すように力がかかり
クッションの役割をしている、椎間板への
ストレスが大きくなります。
その結果、腰痛が悪化する可能性
もあります。

背筋と腹筋

腰痛を改善していくうえで押さえておかないといけない
ポイントは大きく2つです。
①ジョイントバイジョイントセオリー
②ローカル筋とグローバル筋

この2つのポイントを押さえるようにすれば
腰痛改善に向けての道のりは、見えてきます!

ジョイントバイジョイントセオリー

ジョイントバイジョイントセオリーとは
人体の関節は
「安定性が重要視される関節」
「可動性が重要視される関節」に分けられ、
それぞれが交互に並んでいるという理論です。
関節にはそれぞれ得意とする役割があるという
ことですね。

各関節の役割を表にすると下のようになります。
スタビリティが安定性、モビリティが可動性になります。

ジョイントバイジョイントセオリー


腰痛に関わるところは表の中の
「仙腸関節および腰椎」になります。
骨盤と腰の骨のことですね。

骨盤と腰椎は可動性はそんなにありませんが
構造上とても安定しています。

特に、骨盤は寛骨に仙骨が楔のように、
うまくはまり込むことによって、安定した構造となっています。
この構造上の安定をフォームクロージャ―といいます。

フォームクロージャー

骨盤、腰椎といった安定が得意な関節が
動作時に不安定になり、動きすぎると
痛みが出てしまうため、腰椎・骨盤帯の
安定を取り戻すことが腰痛改善では大事になります

ローカル筋とグローバル筋

ローカル筋とグローバル筋と聞くと
ピンとくる方は少ないですね。
巷では、インナーマッスル・アウターマッスル
なんて呼ばれることが多いです。

ローカル筋とグローバル筋は、明確に役割が分担されています。
・ローカル筋➡関節の安定
・グローバル筋➡関節運動を起こす


働く順番としては、ローカル筋が先に収縮を起こし
関節をさせてから、グローバル筋が収縮して
動作が完成します。
グローバル筋だけが働くと、動作はできますが
関節を構成する骨同士の中心が、ずれてしまったり
他の組織を挟み込むように動いてしまいます。


では、腰周りの筋肉はどうなっているのか?

皆さんがイメージする腹筋、腹直筋はグローバル筋
分類されます。
主な役割は、骨盤や腰椎を安定させるというより
背骨を丸める(脊柱の屈曲)という働き
になります。

ジョイントバイジョイントセオリーでも書きましたが
腰椎骨盤帯は安定を担う関節です。
そのため腰痛の改善にはローカル筋へアプローチが
必要になります。

ローカル筋の中でも、腹横筋へのアプローチが
非常に重要
になります。

腹横筋は骨盤の内側に付着しています。

腹横筋

そのため、腹横筋が収縮すると骨盤の前方を
内側へ引っ張る力かかります。
それによって骨盤後方についている靭帯へ
テンションがかかり、骨盤が安定します。
この筋肉や靭帯の張力による安定を
フォースクロージャ―といいます。

フォースクロージャ

また、腹横筋は多裂筋や胸腰筋膜
内腹斜筋、外腹斜筋などの筋肉と
連携して腰椎の安定に関わってきます。


腰痛改善において腹筋は大事ですが、腹筋群の中でも
腹直筋ではなく、腹横筋の働きを高めることが重要です。
そのため、皆さんが想像する腹筋のトレーニングとは
違ったトレーニングによって、鍛える必要があります。

腰痛 改善のためのエクササイズ

腰痛改善エクササイズを紹介する前に、
確認のために、前提のお話をしておきます。

これまでのお話で説明してきましたが、
腰椎・骨盤帯は安定の関節です。
安定という言葉を聞くと「固める」ことを
イメージされがちですが、少し違います。
常に固めるわけではなく、腕や脚といった
四肢が動かす時に、四肢よりほんの少し早く
収縮して、四肢が適切に動かすための
”安定した土台”になることです。

そのためには、収縮のタイミングが重要になるため
体幹部の適切な筋肉収縮を獲得するためのトレーニングから
四肢の動きと合わせた動きや重心動揺に対して反応する
トレーニングへとレベルアップしていけるのが理想です。

さて、前置きが少し長くなってしまいしたが
今回、5つの腰痛改善エクササイズをご紹介します。
①四つん這いドローイン
②ペルビックティルト
③デッドバグ
④ベアクロール
⑤ハーフニーリングヘイロー

①四つん這いドローイン

四つん這いでドローインを行います。
重力によって地面方向へ落ちている内臓を
腹横筋によって引き上げます。

腰痛の方は、腹直筋を過度に使う
傾向があるので、腹横筋を活性化させ
腹直筋は抑制できるのでおススメです!

腹直筋を使うと声門が閉じやすくなるため
お腹を引き上げた後、「あーー」と声を出して
声門が閉じていないかを確認してみましょう。
腹直筋を使っている方は、声が出しにくい
もしくは、声が出なくなります。

②ペルビックティルト

骨盤を後傾させることで
腹筋群活性、背筋群抑制ができます。
低域値運動なので最低限の筋力発揮で
行うことが重要になります。

肩に力が入ってしまったり、
呼吸が乱れるなどの動作エラーが
起きていないか確認しながら行いましょう。

③デッドバグ

仰向けになり四肢を動かします。
四肢を動かしたときに、腰が反るなど
体幹の安定が崩れないようにします。

体幹と四肢の連動を高めていくことが
できます。

④ベアクロール

名前の通り、熊が歩くように膝浮かした、
四つん這いの体勢で移動します。

デッドバグと同様に
体幹と四肢の連動を高めるトレーニングです。

デッドバグより強度が高いため
デッドバグがしっかりとできるように
なってから、レベルアップしましょう。

⑤ハーフニーリングヘイロー

ハーフニーリングという
片膝を地面に着けた体勢で
重りを持って行うトレーニングです。

肩のトレーニングとして行われていますが
重りが移動していくため、重心動揺が起きます。
この重心動揺に対して、体幹の筋肉が反応して、
適切なタイミングで、収縮することが求められます。

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ブログ著者

中森允崇
中森允崇代表
【保有資格】
・日本トレーニング指導者協会 認定トレーニング指導者
​・EBFAベアフットトレーニングスペシャリスト

【経歴】
■大学でスポーツ科学を専攻
■卒業後ジュニア専門のテニスクラブにて全国大会を目指す
ジュニアアスリートの育成に携わる
■2018年にフリーのトレーナーとなり名古屋市に2店舗を構える、パーソナルトレーニングジム CONNECTや大手スポーツクラブとパーソナルトレーナー契約を結び活動
より多くの方の身体の悩みを改善したいと思い出張パーソナルトレーニングを始める
■現在、パーソナルトレーニング指導をはじめ、愛知県ベスト4の高校テニス部にてトレーニングコーチを務めるなどスポーツの分野でも活動中。
中森允崇

中森允崇

【保有資格】 ・日本トレーニング指導者協会 認定トレーニング指導者 ​・EBFAベアフットトレーニングスペシャリスト 【経歴】 ■大学でスポーツ科学を専攻 ■卒業後ジュニア専門のテニスクラブにて全国大会を目指す ジュニアアスリートの育成に携わる ■2018年にフリーのトレーナーとなり名古屋市に2店舗を構える、パーソナルトレーニングジム CONNECTや大手スポーツクラブとパーソナルトレーナー契約を結び活動 より多くの方の身体の悩みを改善したいと思い出張パーソナルトレーニングを始める ■現在、パーソナルトレーニング指導をはじめ、愛知県ベスト4の高校テニス部にてトレーニングコーチを務めるなどスポーツの分野でも活動中。

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