腰痛で接骨院や整体に行くと
「骨盤の高さが違いますね」
「骨盤がズレてるから足の長さが違うね」
と言われたことはありませんか?
身体のプロがそうやって言っているので、
腰痛の原因はそれなのかと思ってしまいます。
実際にはどうなのか気になるところです。
今回はそんな疑問を解決するために
研究を紹介しながら、実際に骨盤の非対称性が
腰痛に関連しているのか解説していきます。
骨盤の非対称性と腰痛の関係
骨盤と腰痛の関係の研究は数多くあり、
骨盤の非対称性についても研究されています。
その研究をもとに骨盤の非対称性が腰痛の原因となるのかを
見ていきましょう!
今回は3つ、骨盤の非対称性と腰痛に関する
研究を紹介します。
研究その①
アメリカの女子大学生903名を対象にした研究です。
大学入学時に、肩の位置、骨盤の位置、脊柱の位置
(片方の肩の挙上、片方の股関節の挙上、および身体の正中線からの背骨の偏位)を
それぞれ測定し、その後25年間追跡調査をして背中や腰の痛みと関連しているか
調べたというものです。
この研究では、測定した3点が非対称でも
腰痛、背中の痛み、首の痛みと関連していないという
結論でした!
【参考論文】
An epidemiologic study of the relationship between postural asymmetry in the teen years and subsequent back and neck pain
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/2938272/
G S Dieck, J L Kelsey, V K Goel, M M Panjabi, S D Walter, M H Laprade
研究その②
2つ目は腰痛群144名と健常群138名の
上前腸骨棘、上後腸骨棘の左右の位置を評価して
腰痛と関連があるかを調べた研究です。
この研究の結論では、「骨盤の非対称性は、臨床的に意味があると
思われる形で腰痛と積極的に関連することはなかった」としています。
【参考論文】
The association between static pelvic asymmetry and low back pain
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/10382251/
P K Levangie
研究その③
3つ目の研究は退役軍人管理病院で働く従業員と
退役軍人を対象に腰痛群93名、健常群76名で
骨盤の傾斜を評価して、腰痛と関連があるかを
調べた研究です。
この研究でも、骨盤の傾斜と腰痛に統計的に
有意な差はなかったという結果になりました。
Effects of pelvic asymmetry and low back pain on trunk kinematics during sitting: a comparison with standing
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/16508537/
Einas Al-Eisa , David Egan, Kevin Deluzio, Richard Wassersug
結論から言うと...
3つの研究を紹介しましたが
いずれの研究でも骨盤の非対称性と腰痛にはあまり関連はなさそうです。
自分自身の経験ですが、3年ほど前に激しい腰痛になり、
それこそ歩くのも座っているのも、しんどいような状態になったことが
あります。
その時には右の骨盤を高くする姿勢によくなっていましたが、
右の骨盤が高いほうが歩いていても座っていても、痛みが出にくいため
痛みを避けるためにその姿勢をとっていたわけです。
「左右差➡痛み」ではなく
「左右差➡痛みを避ける行動(姿勢)」
ということも考えられます。
今回は骨盤の話でしたが、例えば体のどこかの部位が「左右差が原因」で
痛みが出ているのなら、その左右差を改善する必要があります。
しかし、「痛みを避けるための左右差」は痛みによって作られた
「結果」であり「原因」ではありません。
そう考えると「左右差=痛み」とはならないことを
覚えておくといいです!
おまけの豆知識
整体で脚の長さが違うといわれたことはないですか?
実は脚の長さが対称な人は、わずか10%ほどしかいません!
つまり、90%の人は脚の長さが左右非対称で、
平均5㎜~1㎝違いがあることが研究でわかっており
脚の長さの違いが2㎝までは臨床的に重大ではないとされています。
なので脚の長さが違うということが、直接何かの痛みに関連していると
考えるのではなく、ほかの原因も探してみるのも大事ですね!
Leg Length Discrepancy: The Natural History
https://journals.lww.com/pedorthopaedics/fulltext/2019/07001/leg_length_discrepancy__the_natural_history__and.4.aspx
Gordon, J. Eric MD
Anatomic and functional leg-length inequality: A review and recommendation for clinical decision-making. Part I, anatomic leg-length inequality: prevalence, magnitude, effects and clinical significance
https://chiromt.biomedcentral.com/articles/10.1186/1746-1340-13-11
Gary A Knutson
骨盤の非対称性より大事なのは
骨盤の非対称性は腰痛と関連がないと
結論付ける論文が多く、腰痛の原因は骨盤の
非対称性以外にあると考えられています。
紹介した研究のように、骨盤の非対称性を調べたものの中には
同時に背骨の動きも調べたものがあり、そちらの方が腰痛に
関連しているという結果になっています。
では、腰痛がある人の特徴は?
①胸椎の可動性が小さい
②腰椎の側屈、回旋運動の非対称性が大きい
このような特徴あがるという報告があります。
そのため、腰痛改善には屈曲・伸展、
側屈、回旋といった背骨の動きを安定的かつ
可動性をもって行うことが大事になります!
腰痛改善に関する記事
「腰痛=腹筋」みたいに思われていますが、
本当のところはどうなのか?
腰痛の改善方法において腹筋が大事なのかを
まとめたブログになっています!
腰痛 改善には腹筋を鍛えるのが良いのか?|腰痛改善方法を考え直す
腰痛 は肩こりと同様に多くの方がもっている体の不調になります。 平成28年に厚生労働省が発表した、国民生活基礎調査において病気やけが等で自覚症状のある人(有訴者)の比率、有訴者率では男性の第1位、女性の第2位が腰痛です。 […]
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ブログ著者
- 【保有資格】
・日本トレーニング指導者協会 認定トレーニング指導者
・EBFAベアフットトレーニングスペシャリスト
【経歴】
■大学でスポーツ科学を専攻
■卒業後ジュニア専門のテニスクラブにて全国大会を目指す
ジュニアアスリートの育成に携わる
■2018年にフリーのトレーナーとなり名古屋市に2店舗を構える、パーソナルトレーニングジム CONNECTや大手スポーツクラブとパーソナルトレーナー契約を結び活動
より多くの方の身体の悩みを改善したいと思い出張パーソナルトレーニングを始める
■現在、パーソナルトレーニング指導をはじめ、愛知県ベスト4の高校テニス部にてトレーニングコーチを務めるなどスポーツの分野でも活動中。
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